近所のママ友が本を貸してくれることに。(最近はコロナで図書館行けない;;)

韓国の文化を知るにあたっておススメの本、できれば女性作家の本がいい!と言ったところ

この「ボンスニオンニ」を貸してくれました。

캡처

作家:コン・ジヨン
題名:ボンスニオンニ
出版:1998




あらすじ

始まりは母からの電話。
”またボンスニオンニが男と逃げたんだって”。

そして主人公チャンアはボンスニオンニとの日々を思い返す。
”ボンスニオンニならありうる……”

ボンスニオンニとは、チャンアがまだ幼児だったころ
女中として働いていたオンニのことだ。

ボンスニオンニは身寄りがなく、孤児院で育てられある夫婦に引き取られた。
その夫婦にもこき使われ、その家を借りていたチャンア家族が引っ越す時
ボンスニオンニもチャンアの家に転がり込んだ。

チャンアの家は貧乏だったが、韓国の経済成長とともに
どんどん金持ちになっていく。

チャンアの母は”ボンスニも家族”と言いながらも、
ボンスニオンニに教育を受けさせないし、外出時は留守番をさせる。
宝石がなくなったことでボンスニオンニを疑い、
ボンスニオンニは質の悪い男と夜逃げしてしまう。

兄弟の末っ子・チャンアにとっては母親代わりだったボンスニオンニ。
悲しむチャンア、そしてなくなった宝石が見つかって驚く母親。

そのころ男に捨てられたうえ妊娠姿で帰ってきたボンスニオンニ。
母親の説得の末に子供を諦め、お嫁に行くことに。

しかし夫と死別、ボンスニオンニの試練は続き、現在(小説の始め)は
子供4人を置いてまた別の男と逃げてしまう。

チャンアは当初5歳という年齢だったにも関わらず早熟な子供。
ボンスニオンニへの切なさを隠しながらも
人生の苦しみ、切なさ、運命、貧富、そして希望について感じ、考えながら成長していく。

その後チャンアは大学へ行き、作家になる。
そして母から50歳になったボンスニオンニの近況を聞く…。



感想
とても読みやすく、文章を読んで心が温かくなることに驚きました。
韓国語って本当に感情的な言葉だな…と。
女性作家だからか、なんとなく江國香織さんが思い浮かびました。
そういう類のなんというか、情緒的で女性的な文章だなって。

それと
時代背景は1960~70年で、出版されたのは90年代なわけですが
カルチャーショックを受けました。
なんとなく、夏目漱石の時代の雰囲気を感じる。
アメリカの存在や、知識人の存在など、時代が変った時期が
その時期だったんかな。
貧乏ということ、お金があるということ、女であるということ、
その時代ということ。
そういうのが、温かく、切なく、心に残る作品でした。

印象的だった言葉。
「ねえ、誰かを愛するってことはね、どう愛するかを知ることなんだよ」
自分では愛してるつもりでも、相手にとってその愛の手段が死へ導くこともある。
なんだか考えさせられました。



作者について
コン・ジヨンさんは1963年生まれの女性作家。
民主化運動が盛んだった1980年代に労働運動に加担して捕まったことも。
その後小説家となり、韓国を代表する女性ベストセラー作家へ。
映画化した小説の中にコンユ主演の”ドガニ”などもある。
SNSなどで政治関連のコメントも多いため、何かとニュースにもなってます。


コン・ジヨンさんの別の小説も読んでみたいです。
おススメです^^

ではまた。

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